大嫌いな王子様 ー後編ー
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あれからも学業以外はとにかく仕事に勤しんだ。


「暁兄、最近ちゃんとご飯食べてる?」

「あぁ、食ってるよ」

和希も心配するぐらい。
でも、そうでもしないと決意が揺らぎそうだから。


「もうすぐ伊織の誕生日だねー。今年は俺もデートに参加させてよー」

そう。
今日は9/27。
もうすぐ伊織の誕生日がやってくる。

夏休みの7月は家でケーキを作ってお祝いしてくれたな。
勉強があるからって、デートは来年ねって言ってたっけ。


ヤバ…

「暁兄?」

「部屋に戻る」


ダイニングをあとにした。

泣きそうだったから。


その日の夜、揺らぎまくってた気持ちに覚悟を決めた。


カチカチ

『明日バイト休みだよな?学校帰り会おうぜ』


ヴーッ
すぐ返事が返ってきた。

『うん!やったー!!(^^)』

可愛過ぎる。


『じゃ、16時に駅前の噴水のとこで』


いつもは迎えにいくけど、明日は待ち合わせをすることにした。



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次の日
15:40

早く着いてしまった。
いおに会えるのが嬉しくてとか…恥ずいよな俺。

今日が来なければいいなんて思ったりもしたけど、やっぱり会いたかった。



「暁斗くんー!!」

少しするといおの声が聞こえた。


「暁斗くん、早かったね!」

「おまえこそ早いな」

時間は15:43


「えへへ。早く会いたくて走ってきちゃった」

なんで、そんな可愛いこと言うんだよ。


「これも“初めて”の待ち合わせだね」

嬉しそうに言ういお。
この気持ちも“好き”ってことなんだろうな。



「暁斗くん、どこ行きたい?」

「映画見ねぇ?」

「うん!行こう!」


特にこの映画が見たかったわけじゃない


「カラオケ行こう」

「暁斗くんとカラオケ!楽しみ!」


カラオケだって初めてで、特別来たかったわけじゃない


「もうすぐ21時だね。そろそろ帰らなきゃだね」

「そうだな」


でも、どうしても


「家まで送る」

「ありがとう」


いおとの思い出を作りたかったから。


こんな近かったっけ?って思うほど、あっという間にいおの家の前に着いた。


「暁斗くん、今日はありがとう」

「俺こそ。いお、11月に推薦あるんだろ?ちゃんと勉強しろよ」

「うげっ!!大丈夫だよ!もう成績落とさないようにしっかり頑張るから!」


行きたい大学も決まり、そこに向かってまっすぐ頑張ってるいお。

「応援してる」


いおが楽しくて笑顔いっぱいの人生を送れるように。



「暁斗くん?」


早く言え、俺。


「あ、そうだ!」

いおが鞄をゴソゴソしてなにかを探している。


「これ、よかったら食べて♪」

可愛くラッピングされた袋に入っているクッキー。


「前とは違う味にしたよ。まだ暑いからチーズケーキとかは腐っちゃうのが怖かって…。今度作るね♪」


受け取っていいのか?
受け取ったら決心が鈍るんじゃないのか?


「あ、いらなかった!?ごめんね…」

違う。すげー嬉しいから。


「ありがとう」

クッキーを受け取った。
嬉しそうに笑ういお。

俺は笑えてるのか?


「暁斗くん、痩せた?元から細いのに心配だよ」

最近食欲なくてあんま食ってないからな。



「暁斗くん?どうしたの?なんか変…「いお」


どこまでも自分よがりでごめん。



「別れてくれ」

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