ただ、守りたかっただけなのに
彼はその、美しいを通り越して、恐ろしほどの笑みをたたえながら、恋菜方を見る。
そして彼の後ろには、怯えきった様子の響平がいた。
ゆっくりとリビングへと足を踏み入れる朔。
その後ろを、響平が恐る恐るついていく。
「こんにちは、恋菜さん。ご無沙汰しております」
と、今までまったく気配のなかった柚葵が現れる。
柚葵を怯えた目で見る響平。
柚葵はいつもいつも、気配を消すのがうまく、皆翻弄される。
いや、それは響平だけかもしれないのだが。