【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「ええ、リンブルグに興味がありますもの」
「リンブルグにだけ?」
「……それは、レグルスさま次第、と言ったところでしょうか」
口元を隠して微笑む。冗談めかしたことを言えるようになったのは、彼のおかげね。
……でも、正直、わたくしにはまだわからない。
考えないといけないことが山のようにあるから。
それでも――……彼とならきっと、未知の土地でもうまくやっていけるような……そんな予感がするの。
「ところで、勝算はあるのでしょうか? マティス殿下は本気を出すと思いますわよ」
「勝算もなにも、負けたら負けたで別の方法を考えるよ」
両肩を上げてみせるレグルスさまに、わたくしは「ええ?」と目を丸くした。
「公爵は『陛下に伝える』と言った。確約はしていないってこと。陛下に伝えても、『婚約を白紙にするわけないだろう』って言われたら、カミラ嬢とマティス殿下の婚約はそのままだろう? まぁ、負けるつもりはないけれど」
……そうだ。確かにお父さまは『陛下にそう伝えよう』と口にしただけだわ。
マティス殿下が婚約を白紙にすることを望めば、と考えていたけれど……これは王族の婚約。
そう簡単にマティス殿下やお父さまの判断だけで婚約を白紙にできるわけではない。
ならばどうすれば良いのか――……考えることが増えたわね。
「リンブルグにだけ?」
「……それは、レグルスさま次第、と言ったところでしょうか」
口元を隠して微笑む。冗談めかしたことを言えるようになったのは、彼のおかげね。
……でも、正直、わたくしにはまだわからない。
考えないといけないことが山のようにあるから。
それでも――……彼とならきっと、未知の土地でもうまくやっていけるような……そんな予感がするの。
「ところで、勝算はあるのでしょうか? マティス殿下は本気を出すと思いますわよ」
「勝算もなにも、負けたら負けたで別の方法を考えるよ」
両肩を上げてみせるレグルスさまに、わたくしは「ええ?」と目を丸くした。
「公爵は『陛下に伝える』と言った。確約はしていないってこと。陛下に伝えても、『婚約を白紙にするわけないだろう』って言われたら、カミラ嬢とマティス殿下の婚約はそのままだろう? まぁ、負けるつもりはないけれど」
……そうだ。確かにお父さまは『陛下にそう伝えよう』と口にしただけだわ。
マティス殿下が婚約を白紙にすることを望めば、と考えていたけれど……これは王族の婚約。
そう簡単にマティス殿下やお父さまの判断だけで婚約を白紙にできるわけではない。
ならばどうすれば良いのか――……考えることが増えたわね。