【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
 それこそ、凝ったものではないけれど、ヨーグルトのはちみつがけとか、フルーツのデザートは用意されていたはずよ。

「……もしかして、留学生だからと……?」

 こくりとうなずく二人に、わたくしは頭を抱えそうになった。どうなっているのよ、この国の留学生(しかも王太子)に対する態度は!

 ――まさか、リンブルグを怒らせそうとしている……?

 扱いの悪さを、レグルスさまがリンブルグの国王陛下に伝える。『国の王太子を冷遇した』と苦情を入れる。その先に待っているのは……。わたくしが口元を覆い、最悪の状況を考えていると、注文の品が届いた。

 そして、パフェの大きさを見て唖然(あぜん)としてしまった。だって、かなり大きいんだもの。

 食べきれるのかしら……と不安になるくらいの大きさ。

 わたくしはカフェオレを一口飲んで、思っていた以上に飲みやすくて目を見開く。

 まろやか、というのかしら。普段こういう飲み物は口にしないから、不思議な感じ。

 クロエとレグルスを見ると、砂糖も入れずに飲んでいた。……苦くないのかしら?

「あー、やっぱり甘いものは癒されますねぇ」
「お前は、食べ物だったらなんでも癒されるだろ……」

 幸せそうにパフェをぱくぱくと食べていくブレンに、わたくしとクロエは目を丸くしてしまった。すごい勢いで消えていく……一種の魔法のようにも見える……って、そうじゃなくて!
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