【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜

カフェでリンブルグのことを聞いたの。

 雑貨店をあとにして、カフェの個室で休憩。

 カフェって個室があるのね。パンケーキのお店は専門店だったようだけど、こういうカフェに入るのも初めてだから、知らなかった。

「なにを頼みますか?」
「お勧めの飲み物はなにかしら?」
「ここはコーヒーですね。あ、カフェオレがお勧めです!」

 食べ物のことになると目を輝かせるブレンさまに、ふふっと笑みを浮かべる。

 レグルスさまよりも年上ということは、わたくしよりも年上……なのよね? そういえばレグルスさまの年齢を知らないことに、今気付いたわ。

「では、わたくしはカフェオレを」
「私は……コーヒーを」
「俺もコーヒー」
「じゃあ僕は、ココアとパフェにしますね」

 胃袋の底がないと聞いたけれど、本当にそうなのかもしれない。だって、あまりにも幸せそうに選んでいるんだもの。

 わたくしたちは三人で顔を見合わせて、小さく肩をすくめた。

 さっきパンケーキ食べたばかりなのに、もうパフェが入るのね……

 店員を呼んで注文すると、ぱたんとブレンがメニュー表を閉じて元の場所に置いた。

「ブレンさまは、甘いものがお好きなのですか?」

 気になったようでクロエが声をかけた。パンケーキも甘いもの……チョコバナナだったものね。

「学園の寮に戻ると食べられませんからねー。今のうちに食べておかないと!」
「……えっ?」

 寮では食べられない? おかしい。寮の食堂では甘いものも提供されるはず。
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