距離感ゼロ 〜副社長と私の恋の攻防戦〜
「お風呂、先にどうぞ」
食後のケーキも食べ終わるとそう声をかけられ、芹奈は戸惑う。
「え、あの。本当に泊まるんですか?私」
「うん。だめ?もちろん何もしないよ。俺はソファで寝るから」
「だめって訳では……。あの、抱き枕でいいなら、一緒に……」
言葉を濁して小声で言うと、翔は一瞬驚いたように動きを止めてから、嬉しそうに芹奈を抱き寄せた。
「ありがとう。本当に何もしないから。それに君といるとぐっすり寝てしまうからね、俺。じゃあ、お風呂入っておいで」
「はい」
「服は洗濯機に入れておいて。明日の朝には乾いてるから。タオルとバスローブはこれを使って。ゆっくり温まってね」
「ありがとうございます」
バスルームのドアを閉めると、芹奈は、ふうと大きく息をつく。
あまりの急展開に、まだ気持ちがついていかなかった。
(だけど……。なんかちょっと、嬉しい、かも?)
ドキドキ、ソワソワしながらシャワーを浴びると、恥ずかしさのあまりブクブクと口元までお湯に浸かった。
(最初に副社長に告白された時は、条件反射みたいに断っちゃったけど。本当の私の気持ちって、どうなんだろう?)
そう考えた途端、顔が真っ赤になるのが分かった。
(あーもう、恥ずかしい。恥ずかしい?ううん、そうじゃなくて……。もしかして私、副社長のことが、好き?いや、違う。やっぱりただ恥ずかしいだけ。だってあんなに強く抱きしめられて、顔を覗き込まれて、好きって言われたら……)
頭の中で思い返しては恥ずかしさに悶々とした結果、芹奈は見事にのぼせ上がった。
食後のケーキも食べ終わるとそう声をかけられ、芹奈は戸惑う。
「え、あの。本当に泊まるんですか?私」
「うん。だめ?もちろん何もしないよ。俺はソファで寝るから」
「だめって訳では……。あの、抱き枕でいいなら、一緒に……」
言葉を濁して小声で言うと、翔は一瞬驚いたように動きを止めてから、嬉しそうに芹奈を抱き寄せた。
「ありがとう。本当に何もしないから。それに君といるとぐっすり寝てしまうからね、俺。じゃあ、お風呂入っておいで」
「はい」
「服は洗濯機に入れておいて。明日の朝には乾いてるから。タオルとバスローブはこれを使って。ゆっくり温まってね」
「ありがとうございます」
バスルームのドアを閉めると、芹奈は、ふうと大きく息をつく。
あまりの急展開に、まだ気持ちがついていかなかった。
(だけど……。なんかちょっと、嬉しい、かも?)
ドキドキ、ソワソワしながらシャワーを浴びると、恥ずかしさのあまりブクブクと口元までお湯に浸かった。
(最初に副社長に告白された時は、条件反射みたいに断っちゃったけど。本当の私の気持ちって、どうなんだろう?)
そう考えた途端、顔が真っ赤になるのが分かった。
(あーもう、恥ずかしい。恥ずかしい?ううん、そうじゃなくて……。もしかして私、副社長のことが、好き?いや、違う。やっぱりただ恥ずかしいだけ。だってあんなに強く抱きしめられて、顔を覗き込まれて、好きって言われたら……)
頭の中で思い返しては恥ずかしさに悶々とした結果、芹奈は見事にのぼせ上がった。