距離感ゼロ 〜副社長と私の恋の攻防戦〜
コンペと縁談
社内合同ミーティングを経て、いよいよ湾岸エリアの用地取得に向けたコンペの日が迫ってきた。

翔に社長秘書に戻るように言われた芹奈は、手伝いたくても手伝えない。
ヤキモキしながらも、成功を祈るしかなかった。

そしていよいよコンペ当日。
秘書室で何度も持ち物を確認する村尾を、芹奈も横から見守った。

「じゃあ、行ってくる」
「うん。行ってらっしゃい!」

思いを託すように、芹奈は村尾を見送った。
仕事中も、何度も時計を見上げては、ソワソワと落ち着かない。
夕方になってようやく戻ってきた村尾に、「どうだった!?」と秘書室の皆で詰め寄る。

「ああ、手応えは良かったよ。他の企業のプレゼンは知らないけど、多分いけると思う。なんたって、副社長のカリスマ性が凄かったからな。もう会議室の全員が聞き惚れてた」

すると菜緒が「想像つくー!」と頬に手を当ててうっとりした。

「もう、『この人なら信じられる。この人についていきたい』って気にさせられるんですよね、副社長って」
「そうだな、同性の俺も惚れ惚れした。それにみんなの作ってくれた資料も素晴らしかった。とにかくあとは、信じて結果を待とう」
「はい!」

村尾の力強い言葉に、皆も大きく頷く。

そして3日後。
無事に吉報が届いた。
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