パーフェクト・フィグ



昨晩、容態が急変した夢乃は、
数度の心停止を繰り返していた。

アドレナリンと心臓マッサージを繰り返すも、
夢乃の身体は胸骨圧迫による
損傷を増すばかりだったらしい。

両親への確認後、延命処置中止。


「…」


看護師が記録したカルテを見て、
すみれはもう一度白くなった夢乃を見た。

処置に立ち会った医師は解散し、
看護師によるエンゼルケアが施されている。

看護師に言われる通りに、
夢乃の顔を拭く母親を、
すみれは見ることができなかった。

反射的に視線を反らして、
入り口まで歩くと、
白いスニーカーが前に見えた。

顔を上げると、以前夢乃を担当していた
例の若い看護師だった。



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