パーフェクト・フィグ
腕に限界を感じて起き上がろうとすると、
突然肘がカクンと折られた。
勢いよく雅俊の胸に顔を打ったかと思うと、
その腕にすっぽりと納められていた。
少し早い鼓動が、鼓膜を伝って響いてくる。
「…こんなことするためじゃ、なかった」
雅俊がどんな顔をしているのかは、わからない。
だが、あの時と同じ。
容赦ない強い力に返すように、
すみれも雅俊の胸に乗せた手に力を込めた。
「私、予定調和は好きじゃないよ」
「…俺もだ」
互いの体温が交じり合ったところで、
段々と力が抜けていく。
すみれは、遠慮なく雅俊に身を預けた。
納まるべきところに、納まったように。
雅俊が、天井を眺めていた。
すみれは、ソファの下を見つめていた。
埃の一つでもあればいいのに、
綺麗なところが、かえって気味が悪い。
だが、すみれが来るという度に、
綺麗にしていることは薄々わかっていた。