落ちこぼれ悪魔の扱い方
二人の過去を知ったときには驚いた。
与崎の過去も我ながら壮絶だとは思うのだが、二人の過去もなかなかに重かった。
灰田は、若者がたむろする繁華街を仕切っていたグループの下っ端という話だった。
「繁華街って、歌舞伎町みたいなところか?」
「ちょっと違うんすよ。まーいわゆる、『トー横』みたいな感じすかね」
トー横……。知らない単語だ。
しかし高坂は知っているようで、「ああ、そういう感じなのね」と合点がいった表情をしている。
灰田の死因は、オーバードーズだった。
彼は市販の薬品を使っていたそうだが、違法薬物の販売にも手を染めていたらしい。
それが原因で悪魔に堕とされたという。
「オーバードーズと大麻の販売は、命令されてやってたんすよ。仲間外れになりたくないんで。
あそこも別に居心地いいわけじゃないんすけど、かといって他に居場所あるわけでもないし。
後悔しようにもできないすね」
灰田はそう言って、諦念したように笑った。
何事にも真剣味の欠けている灰田だったが、人間の頃はそれなりに必死に生きようとしていたようだった。