落ちこぼれ悪魔の扱い方

美弥は、最初に会ったときに比べて格段に強くなった。

復讐のための覚悟も決まってきている。


……せめて最後まで、それを見守ってやりたかったものだが。


思えば美弥には、申し訳ないことをたくさんした。


会ってすぐの羽交い締めや予期せぬ居候など、数え上げればキリがないが、一番は与崎が『父親のための復讐』を迫りすぎてしまったことだろう。

勝手に美弥に期待していたせいで、美弥が父のことを覚えていないと分かったとき与崎は大いに荒れた。

それで一度、与崎と美弥は決別したのだ。


自分以外の誰かを幸せにする、という人間に、与崎は熊のように固執していたのだ。






 与崎がここまでの執着心を抱くようになったのには、とある原因がある。



悪魔コレクターの一件をきっかけに、与崎はよく高坂と灰田と話すようになった。

人間だった頃の話から、依頼人の相談まで。


歳が近い二人と話すのは、率直に言って楽しかった。

陳腐な表現だが、一人で孤独に仕事をしていた時代とは違って毎日が色づいて見えるようになった。


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