落ちこぼれ悪魔の扱い方
「美弥ちゃん、何か変だよ?」

「私は元から変だよ」

「それはそうなんだけど、昨日から特に」

元から変なのは否定してくれないのか。

「話しかけても上の空だし、何か悩んでるんじゃないかな、と思って」

咲子は不安そうに言う。


ずっと隠し通すのも可哀想だが、本当は言えないし、そもそもし信じてもらえないだろう。

ここは心を鬼にするところだ。

「……大したことじゃないから」

そう冷たく言って、美弥はコンビニで買った菓子パンにかぶりつく。

咲子はまだ美弥に視線を向けているようで、再びお弁当を食べ始める気配はなかった。


「もしかして、怒ってる?」

美弥が顔を上げると、咲子は泣きそうな顔をしていた。

「私、昨日美弥ちゃんに酷いこと言っちゃったし……」

言っている間にも、どんどん瞳に涙が溜まっている。
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