『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!



「や、やっといなくなりましたわ……」

 キャロラインに群がっていた浮浪者たちを、やっと追い払うのに成功した。

「わたくしのせいで、申し訳ありませんでしたわ……」

「いえ、奥様が無事で何よりです。お怪我はございませんか?」

「ありがとう。特に問題はございませんわ!」

 彼女らが一通り身の回りを確認したあと、

「お子たち〜! お待たせしましたわぁ〜! あなたたちは、怪我は……あれ?」

 振り返ると、ロレッタの姿もレックスの姿も、どこにも見当たらなかった。

< 114 / 132 >

この作品をシェア

pagetop