『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!
「や、やっといなくなりましたわ……」
キャロラインに群がっていた浮浪者たちを、やっと追い払うのに成功した。
「わたくしのせいで、申し訳ありませんでしたわ……」
「いえ、奥様が無事で何よりです。お怪我はございませんか?」
「ありがとう。特に問題はございませんわ!」
彼女らが一通り身の回りを確認したあと、
「お子たち〜! お待たせしましたわぁ〜! あなたたちは、怪我は……あれ?」
振り返ると、ロレッタの姿もレックスの姿も、どこにも見当たらなかった。