『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!


「本当に今回の件は反省ですわ。次は無理なく少しずつ難易度を上げてから挑むようにしますわ」

「おかあさま、しっぱいするのが、こわくないの? ぼくは、みんなの前で、しっぱいするのが、こわいの……」

「怖くなんかなくてよ? 100回失敗してもいいの。大切なのは、成功への努力と工夫ですわ」

「そうだぞ、レックス。何度失敗しても笑われても、最後まで諦めないでやりぬくことが大事なんだ。お前の努力を見てくれている人間は大勢いるぞ」

「それに、現にレックスは乗馬も剣術もだんだん上手くなっているじゃない! この調子で頑張りましょう〜!」

「うん! ぼくも、しっぱいをおそれずに、がんばる!」

「バッカじゃないの! あたしは、せいこうするまで、れんしゅうするすがたを、だれにも見せないわ。ハーバートこうしゃくけの、れいじょうが、みじめなところを見せるわけないじゃない!」

「陰で努力をするのも素晴らしいことですわ!」

「あんたみたいな、ぶざまなことになりたくないだけよ」


 こうして、大惨事だった食堂は一家の手によって綺麗に片付けられた。
 ハロルドは、こんな夜も悪くないなと思った。

 たま〜には……。
 年に一度くらいは……。


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