優しくしないで、好きって言って

 モヤモヤとした。

 嫉妬という感情以上に、瑛大の前で可愛く振る舞える彼女を、なにより素直に好意を口にできる彼女を、私はいいなと思ってしまったんだ。


「私だって、本当は好きなのに……」


 いつまで経っても、瑛大に好きだと言えない。

 それどころか、好きって気持ちを態度に現すこともできないんだ。


 もちろん、瑛大の気持ちがわからない恐怖のせいもある。

 想いを伝えてもし受け取ってもらえなかったらって、関係性が崩れてしまったらって。そりゃ怖いよ。


 だけどやっぱり……一番大きいのは、素直になれない自分の心のせいだと思うから。


「……ははっ。バカよね、私。そんなこと前から気づいてたのに……今更それが嫌になるなんてさ? 瑛大だって絶対、素直な可愛い子の方がいいに決まって──」

「それならきっと、心配はいりませんよ」

「え?」


 遮るように放たれた言葉に驚いた私は、目を丸くしたまま竜胆を見つめる。

 すると、表情を柔らかに綻ばせたその人が、しっかりと私の目を見て頷いた。

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