優しくしないで、好きって言って
「んー、こうやって暫く二人でゆっくり過ごすのもいいかと思ってたんだけど……そんなに早く聞きたい?」
「なにそれ、そういうのいいから、早く言って!」
「はは、ごめんって」
こっちはさっきから緊張しまくりだっていうのに、瑛大だけ妙に落ち着いてるのもちょっと癪なのよね。
私のこと、好きとか言ったくせに。
そうやって不貞腐れた調子で視線を送っていると、瑛大の顔がこっちを向いて。
「七瀬、くま貸して?」
「くま……って、この子のこと、よね?」
言われた通り、枕元のテディベアを手に取る。
私は訳もわからないまま、軽く頷いた瑛大の前にそっとその子を差し出した。