優しくしないで、好きって言って

「そう? でもまだ俺、七瀬にちゃんとOKもらえてねぇもん」

「……っ、それは」

「ねぇ、これ開けるよ」

「え?」


 慌てる私をよそに瑛大が掲げたのは、どこからか取り出された小さな鍵だった。

 もう一つの手には、テディベアが抱かれたままになっている。


「このくまさ……渡したあと、『いつか絶対会いに行くから、こいつと一緒に待ってて』って七瀬にお願いしたの」

「お願い?」

「そ。それが約束の答え。……それから、『また会えたら、今度こそ七瀬から離れないから。ずっと俺の傍にいてほしい』って、そう伝えた」

「……っ」

「んで……」


 瑛大が呟くと、程なくして鍵はペンダントへ到達し──。

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