優しくしないで、好きって言って

「……これから、たくさん色んなところに連れていってよね?」


 すると、柔らかに引き締まった目と眉。


「もちろん。お望みならばどこへでも」

「……約束?」

「うん、約束」


 ……嬉しい。


「これから七瀬と色んな楽しいとこ行って、それから色んな楽しいコトして……」

「ちょっ、変な言い方やめっ──」


 真っ赤になって叫んだその時だった。


 ──ドンッ。


 背後から何かがぶつかってきて、「わっ」と声が洩れた。

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