優しくしないで、好きって言って

「はあ!?」


 びっくりした。


「ないないないない! ぜーーーったいありえない!」


 っていうのは、失礼かもしれないけれど。

 竜胆のことをそういう目で見たことは、一度もないんだもの。

 竜胆だって、私のことは世話の焼けるお嬢様だとくらいにしか絶対思ってないはず。


「ふーん」


 ふーんって。


「なっなによ、瑛大のくせに嫉妬でもしちゃった?」


 焦って冗談まじりに言ってみる。

 すると、なぜか近づいてきた無表情なままの顔。


「……そうだって言ったら、どうしてくれんの?」

「え?」


 不意に肩が引き寄せられ、するりと重ねられた指が絡まる。


「な、なにして」

「手ぇ繋いでる」

「……っ」


 それは見たらわかるっていうか。

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