ChristmasLight*
「別れよう」
そう言われたのは、そんな彩られたツリーの前。
「え……?」
突然で、前触れも無く。
ただあたしは目を丸くするだけ。
「な、何て、言ったの」
信じられなくて聞き返した。
「別れよう、って言ったんだ。もうやめよう」
弘人の目は真剣だった。
ただでさえ冗談を言わない人なのだ、こんな事思い付きで言うわけない。
という事は本当なんだ。
「うそ、え……なんで!?」
「自分で考えてくれ……」
そして弘人はあたしに背を向けた。
黒いトレンチコートが、もう振り返らないと伝えていた。
「待っ……!」
あたしの手は弘人に届かない。
きらびやかなツリーの前で、あたしは一人取り残された。
「弘人……なんで……?」