エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 今度はギャレーに入ってきた先輩が軽食サービスで出すナッツやお菓子などを確認してゆく。
 莉桜はサービスになったらすぐサービスできるようにコップや温かい飲み物用のカップやソーサーのチェックをする。

「フード、ドリンクOKです」
 莉桜達が確認したことをリーダーが集約してさらにチーフパーサーが確認した上で追加の指示や確認事項などをリーダーに伝える。
 場合によってはそのフィードバックを受けて改めて確認することもある。
 一時間なんてあっという間だ。だからみんなで協力して一斉に行うのだ。

 最後にジャンプシートの席の具合とシートベルトまで装着して確認し莉桜は手でまたOKサインを出す。先輩は非常口ドアのチェックをしている。OKサインをもらった莉桜は機内アナウンス用の送信機を手にした。
「A2、OKです」
 次々にチェック完了の報告が入る。

 パーサーからの機内アナウンスが入った。
「皆さまのおかげで時間通りにお客さまをご案内できます。ありがとうございました。ご案内いたします。よろしくお願いいたします」

 その声を聞いて、莉桜はドア前のご案内スペースまで移動する。今日はご案内の係なのだ。
「いらっしゃいませ」
 ドア前でお客さまをお迎えする客室乗務員は笑顔を向けながらも、実は体調などを素早くチェックしている。気分が悪そうではないか、顔色は悪くないか、酔っていないかなどもだ。
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