エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 知られていたんだと莉桜の心臓がどきんと音を立てて跳ねる。

「あの……すみません。公私混同はしませんので……」
「いちゃいちゃしてもいいのに」
 そんなことできるわけがない。
「そんなこと、できません!」
 顔を赤くして両手で顔を隠す莉桜に同僚たちは微笑ましく笑顔になる。そんな風にからかわれたり、見守られたりしながら莉桜は乗務を終えたのだった。

 帰りは五十里が空港に車を停めているというので、一緒に帰ることにする。
「新型機、好評で本当によかったですね。私もクルーとしてとっても嬉しいです」
「うん。乗客も乗務員も嬉しそうで、本当にこの機体の開発に携わってよかったと心から思ったよ。ただ今回の乗務は莉桜がプレエコ担当だったから姿をあまり見られなかったのが残念だったな」

「ビジネス担当の客室乗務員はベテランさんでしたから。サービスも素晴らしかったんじゃないですか?」
「素晴らしかった。現地のことにも造詣が深く、見どころもすらすら答えていたし、行きやすい飲食店の情報なんかも詳しくて、さすがJSA職員だと感心したよ」
 そうでしょう、そうでしょうと莉桜は胸を張る。自分が褒められたように嬉しいものだ。

「ときおり、莉桜の姿を目にしてきりっと仕事をしている姿に胸が締め付けられそうだった。俺の彼女は魅力的だと認めざるを得なかったよ」
「もう……何を言っているんです」
「本当のことだ」
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