エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
「機内のご案内をいたしますね」
 河内は前に立ってにこやかに機内を案内してくれる。シートが置いてある客室の他、奥にはベッドルームやキッチンまでも装備されており、キッチンでは専用のシェフが腕を振るうということだった。

 聞けばこの機体は本来四人まで乗れるらしいのだが、それを今は二人乗りの仕様にしているらしい。お客様によって機内をある程度フレキシブルに変えることができるのがプライベートジェットのメリットなのだ。

 離陸の際はもちろんシートに着席してベルトをつけることが当然なのだが、巡航の際は自由にしていて構わないそうだ。シェフの手による料理もとても美味しいのでぜひ堪能してほしいと案内された。

 二人がシートに座ると程なく機体は上空へと向かう。
 当然のことだが他の乗客の搭乗を待つこともないのもプライベートジェットのいいところらしい。
 上空まで行き、機体が安定すると早速ウェルカムシャンパンが提供された。

 莉桜と五十里は軽くグラスを重ねて乾杯する。
「楽しい休暇に乾杯だ」
「乾杯!」
 こくん、とシャンパンを口にして莉桜は隣の五十里を見ると、とてもご機嫌なのが分かった。

「ごきげんですね?」
「もちろん。莉桜にサプライズできたんだからな」
「本当に驚きましたよ! まさか、プライベートジェットなんて思いませんでした」
「これだけじゃないからな。もっと楽しみにしてていい」
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