エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 客室乗務員の勤務は四勤二休が基本である。
 帰国すると勤務日はちょうど四日となるので、次は二日休みだ。

 休日は近所の雑貨屋も扱っている本屋でゆっくりと旅の本などを見て過ごした。
 旅の本は自分がステイした時にも使えるし、機内で行き先の話をお客様とする際にも役に立つ。
 莉桜はフライトも好きだが、旅をすることも好きだった。
 本を見ながら知らない街に思いを馳せることはとても楽しい。

 カフェも併設している本屋はゆっくりできるので、くつろぎながら本を選べるところがいい。
 莉桜はカフェでコーヒーを飲みながら時間を過ごした。
 明日からの勤務を確認するため、莉桜は本を置いてスマートフォンからシフト表を見る。シフトは新型機導入訓練となっていた。

 五十里重工が作った国内製の飛行機が今度いよいよ導入の予定なのだ。
 初フライトは今からプラチナチケットと言われていた。
 その中で莉桜たちクルーは訓練がある。実機と同じ模型、モックアップが本社内に作ってあるので、そこで訓練するのだ。
 模型といっても形や中身だけではなく、様々な動きも再現できるものである。
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