エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 店に入ると元気に声をかけられる。
『ハーイ! ご機嫌いかが?』
 このダイナーのスタッフはとてもフレンドリーで明るい。莉桜も気軽に挨拶を返した。

『ありがとう! とてもいい気分。テイクアウトはこの時間でも大丈夫かしら?』
『もちろん! メニューを持ってくるわ。座ってて!』
 そう言われて、莉桜は入口近くのテーブル席に座らせてもらう。スタッフがメニューを持ってきてくれた。
『決まったら声をかけて!』
『ありがとう』

 メニューはどれも美味しそうだ。時間も少し遅かったので、莉桜はクラムチャウダーとホットサンドにした。
 先程の明るいスタッフが改めて注文を聞いてくれて、できあがるまで莉桜は店頭で待つ。

(そうだわ……)
 スマートフォンの電源を入れていなかったので、電源を入れて、着信を確認した。
 するとメールアプリへ五十里からのメッセージが入っていることに気がついた。莉桜は嬉しい気持ちになりながらアプリを確認する。

『無事に到着しているか? 明日はオフだろうか。シカゴへのフライトと聞いて、初めて会った時のことを思い出していた。莉桜に会いたいよ。元気な姿が見たい』

 会いたい、と素直に言ってもらえることはとても嬉しい。ふふっと笑みが浮かんで心がほわりと温かくなる。
(私も初めて会った時のことを思い出していたし、とっても会いたいからおあいこね)
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