エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
「お客さま、このお荷物、こちらの荷物入れにお入れしてもよろしいですか？」
「ああ、構いません」
「貴重品や壊れ物などございませんか？」
「大丈夫です」

　お客さまへ許可をもらって莉桜は大きなその荷物を隣の荷物入れに入れた。手で抑えてきっちり荷物入れが閉まるかということも確認して、荷物入れの扉を閉める。
　同じ後部座席担当の客室乗務員に大丈夫、のサムズアップでサインを送った。すべての荷物入れを閉めながら再度手で抑えて確認する。
　その後、自分の担当の座席のシートベルトの着用など離陸前の安全確認へと仕事を進めた。

　夕刻に莉桜の乗った飛行機はな無事にシカゴへ到着し、いつものようにクルーシャトルでホテルに向かう。
　この日はみんなフリータイムを楽しむようで食事には誘われなかった。

　迷った末に莉桜は近くの店でテイクアウトをして部屋で食べることに決めた。
（あそこのホットサンドはとても美味しいものね）
　ホテルの近くにあるダイナーはテイクアウトもできるので莉桜はマキシ丈のワンピースに着替えた後にいつものようにポシェットに必要なものを入れてダイナーに向かう。
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