エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 五十里はその場で写真を転送してくれた。二人とも笑顔のいい写真だった。五十里は先ほど約束したフォトフレームに入れる写真を撮ってくれたのだと分かる。

「いいな。待ち受けにしよう」
 そう言うと、五十里は撮った写真をその場ですぐにスマートフォンの待ち受け画面に設定してしまった。
 莉桜はなんだか照れくさかったけれど、気持ちがとても嬉しかった。

 日が沈みかけた頃、ディナークルーズのため、二人は港へ移動することにした。
 クルーズ船はデッキにソファが置いてあり、ソファでくつろぎながら、シカゴの摩天楼を湖の上から満喫できるようになっている。
 提供された料理も、船上のライブキッチンで調理されたコース料理だ。

 船上でも写真をたくさん撮った莉桜と五十里だ。
(本当にどの写真をフォトフレームに飾るか迷ってしまうかも)
 五十里は有言実行なのだった。

 船を降りた莉桜は五十里に笑顔でお礼を伝える。
「五十里さん、本当にありがとうございました。こんなに楽しいステイは初めてです!」
「よろこんでくれてよかった。莉桜は明日の予定は?」

「明日は夜のフライトの予定です。夕方にクルーシャトルがホテルにお迎えに来ますのでそれまではフリーですね」
「そうか。ではまだ大丈夫だな。せっかくだから、ホテルのトップラウンジで飲み物でもどうだ?」
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