本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
*川口直人 50
スマホをタップして緊張の面持ちで電話に出た。
「もしもし……」
『直人か? 久しぶりだな』
電話越しから聞こえてくる父の声。
「久しぶり……」
『どうだ? 仕事には慣れたか? 引越し業者は肉体労働で大変だろう?』
「確かに大変かもしれないけれど、やりがいはあるよ」
『そうか……それは何よりだ』
父の電話で何となく違和感を抱いた。今までの父ならば、何故会社を継がないで肉体労働の会社に入社したのだと散々文句を浴びせられてきたのに、何故か今は別人のようだ。
「何か……あった?」
『あ、ああ……ちょっとな。お前に相談したいことがあるんだ。電話では何だから近い内に会えないだろうか? それとも忙しいか?』
黙ってしまった。忙しいかと問われれば、仕事が特に忙しいわけではない。けれども鈴音との時間を取られるのは嫌だった。
『やはり……無理か……』
深いため息混じりの声を聞くと、不意に罪悪感のようなものが芽生えてきた。
「大丈夫だよ。今週の金曜日はどうかな?」
金曜日なら鈴音は遅番で、俺は早番だった。それに翌日も2人とも仕事なので、2人で一緒にマンションで過ごす予定もない。
『金曜日でいいのか?』
「いいよ、俺の仕事は土日が休みというわけじゃないからさ」
『そうか。なら……20時に家に来てくれ』
「……分かった。それじゃ切るから」
『ああ、悪いな』
それだけ言うと電話は切れた。スマホをポケットにしまうと急ぎ足でマンションへ向かった。
鈴音が待つ部屋へ――
****
501号室の部屋の扉を開けると、玄関には鈴音のローファーの靴が隅に置かれている。
その靴を見るだけで鈴音が来てくれている事が分かり、幸せを感じる。
すると廊下からパタパタと軽い足音が聞こえてきて、次に鈴音が姿を見せる。
「お帰りなさい、直人さん」
クリーム色のカフェエプロンに、肩まで届く髪を後ろで一つにまとめた鈴音が笑顔で迎えに出てきた。
俺の愛しい恋人……。
「ただいま、鈴音」
玄関先で鈴音を抱きしめ、いつものようにキスをした――
****
「今夜はね、ハヤシライスを作ったの。本当はもっと別のものにしようかと思ったんだけど、ちょっと時間が無くて。ごめんね」
鈴音が申し訳なさげに謝る。
「え? 何故謝るんだい? ハヤシライス俺は好きだよ? うん、とっても美味い」
鈴音は嬉しそうに笑った。
「本当? ありがとう」
そして鈴音もハヤシライスを食べ始めた。
「うん、美味しくできてる。良かった」
俺を見て笑みを浮かべる鈴音を見ていると、今夜は帰したくなくなってきた。
「鈴音……」
「何?」
「明日は2人とも仕事だけど、今夜泊まっていかないか? 着替えは置いてあるんだし」
鈴音は少し考え込む素振りをしたが、すぐに頷いた。
「うん、そうするね」
****
「はぁ〜いいお湯だね……」
俺と一緒に湯船に浸かりながら鈴音がため息をついた。
「うん、新しい入浴剤買って良かったな」
鈴音と向かい合わせに湯船に浸かりながら返事をする。
「また一緒に温泉旅行に行きたいな〜。今度は露天風呂にも入ってみたいし」
「そうだな。絶対また一緒に行こう」
「うん」
微笑む鈴音があまりにも可愛らしく……鈴音の手を掴んで引き寄せるとキスをした――
****
――風呂上り
今夜も俺と鈴音はベッドの上で身体を重ねていた。
「んっ……」
鈴音は口を開け、俺の舌を受け入れている。
「んっんん……ん…‥」
暫くの間、互いの舌を絡めあう。その合間に漏れ出す鈴音の甘い声が身体を熱くさせる。
「鈴音……好きだ……」
唇を重ねながら言うと、鈴音は返事の代わりに俺の舌を絡めてくる。……自ら俺を求めてくれる鈴音が愛しくてたまらない。
鈴音……。
キスをやめ、鈴音の身体を後ろ向きにさせると背後から柔らかな胸を揉み、うなじや耳にキスを落とす。
「んんっ……な、直人さ……あぁん……」
鈴音の敏感な部分に触れると、簡単に指が中に入りこむ。鈴音は本当に感度がいい。もう、十分すぎるぐらい濡れていた。
そのまま背後から鈴音を貫く。
「ああぁんっ!」
鈴音が甘い声を上げる。鈴音が一番感じる体位だ。挿入しただけで、強く締め付けられ鈴音が達したことをしる。
「あぁぁぁ……はぁあああんん……」
小刻みに震える鈴音の細い身体。甘く鳴く声……その全てが愛しくてたまらない。
「鈴音……」
細い腰を掴んで、小刻みに揺すぶると鈴音がより一層高い声で鳴く。
「いやああぁぁんんっ……だ、だめぇぇえ……い、今動いちゃ……あぁあぁっあっあっ……」
「ごめん……鈴音……我慢できなくて……!」
鈴音に無理させたくない、けれど俺の身体無しではいられないほど、愛したい……!
「あんっあんっあぁ……はぁ……んんんっ……な、直人さ……んんっん……」
結局……今夜も鈴音を何度も絶頂に追い込んでしまった――
****
情事の後――
腕の中で静かに寝息を立てている鈴音をじっと見つめながら思った。
「ごめん……今夜も疲れさせてしまって……」
眠る鈴音の唇にキスしながら祈った。
どうか……この幸せがずっと長く続きますように。
けれど、俺と鈴音は思いもよらない形で、残酷に引き離される事になる――
「もしもし……」
『直人か? 久しぶりだな』
電話越しから聞こえてくる父の声。
「久しぶり……」
『どうだ? 仕事には慣れたか? 引越し業者は肉体労働で大変だろう?』
「確かに大変かもしれないけれど、やりがいはあるよ」
『そうか……それは何よりだ』
父の電話で何となく違和感を抱いた。今までの父ならば、何故会社を継がないで肉体労働の会社に入社したのだと散々文句を浴びせられてきたのに、何故か今は別人のようだ。
「何か……あった?」
『あ、ああ……ちょっとな。お前に相談したいことがあるんだ。電話では何だから近い内に会えないだろうか? それとも忙しいか?』
黙ってしまった。忙しいかと問われれば、仕事が特に忙しいわけではない。けれども鈴音との時間を取られるのは嫌だった。
『やはり……無理か……』
深いため息混じりの声を聞くと、不意に罪悪感のようなものが芽生えてきた。
「大丈夫だよ。今週の金曜日はどうかな?」
金曜日なら鈴音は遅番で、俺は早番だった。それに翌日も2人とも仕事なので、2人で一緒にマンションで過ごす予定もない。
『金曜日でいいのか?』
「いいよ、俺の仕事は土日が休みというわけじゃないからさ」
『そうか。なら……20時に家に来てくれ』
「……分かった。それじゃ切るから」
『ああ、悪いな』
それだけ言うと電話は切れた。スマホをポケットにしまうと急ぎ足でマンションへ向かった。
鈴音が待つ部屋へ――
****
501号室の部屋の扉を開けると、玄関には鈴音のローファーの靴が隅に置かれている。
その靴を見るだけで鈴音が来てくれている事が分かり、幸せを感じる。
すると廊下からパタパタと軽い足音が聞こえてきて、次に鈴音が姿を見せる。
「お帰りなさい、直人さん」
クリーム色のカフェエプロンに、肩まで届く髪を後ろで一つにまとめた鈴音が笑顔で迎えに出てきた。
俺の愛しい恋人……。
「ただいま、鈴音」
玄関先で鈴音を抱きしめ、いつものようにキスをした――
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「今夜はね、ハヤシライスを作ったの。本当はもっと別のものにしようかと思ったんだけど、ちょっと時間が無くて。ごめんね」
鈴音が申し訳なさげに謝る。
「え? 何故謝るんだい? ハヤシライス俺は好きだよ? うん、とっても美味い」
鈴音は嬉しそうに笑った。
「本当? ありがとう」
そして鈴音もハヤシライスを食べ始めた。
「うん、美味しくできてる。良かった」
俺を見て笑みを浮かべる鈴音を見ていると、今夜は帰したくなくなってきた。
「鈴音……」
「何?」
「明日は2人とも仕事だけど、今夜泊まっていかないか? 着替えは置いてあるんだし」
鈴音は少し考え込む素振りをしたが、すぐに頷いた。
「うん、そうするね」
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「はぁ〜いいお湯だね……」
俺と一緒に湯船に浸かりながら鈴音がため息をついた。
「うん、新しい入浴剤買って良かったな」
鈴音と向かい合わせに湯船に浸かりながら返事をする。
「また一緒に温泉旅行に行きたいな〜。今度は露天風呂にも入ってみたいし」
「そうだな。絶対また一緒に行こう」
「うん」
微笑む鈴音があまりにも可愛らしく……鈴音の手を掴んで引き寄せるとキスをした――
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――風呂上り
今夜も俺と鈴音はベッドの上で身体を重ねていた。
「んっ……」
鈴音は口を開け、俺の舌を受け入れている。
「んっんん……ん…‥」
暫くの間、互いの舌を絡めあう。その合間に漏れ出す鈴音の甘い声が身体を熱くさせる。
「鈴音……好きだ……」
唇を重ねながら言うと、鈴音は返事の代わりに俺の舌を絡めてくる。……自ら俺を求めてくれる鈴音が愛しくてたまらない。
鈴音……。
キスをやめ、鈴音の身体を後ろ向きにさせると背後から柔らかな胸を揉み、うなじや耳にキスを落とす。
「んんっ……な、直人さ……あぁん……」
鈴音の敏感な部分に触れると、簡単に指が中に入りこむ。鈴音は本当に感度がいい。もう、十分すぎるぐらい濡れていた。
そのまま背後から鈴音を貫く。
「ああぁんっ!」
鈴音が甘い声を上げる。鈴音が一番感じる体位だ。挿入しただけで、強く締め付けられ鈴音が達したことをしる。
「あぁぁぁ……はぁあああんん……」
小刻みに震える鈴音の細い身体。甘く鳴く声……その全てが愛しくてたまらない。
「鈴音……」
細い腰を掴んで、小刻みに揺すぶると鈴音がより一層高い声で鳴く。
「いやああぁぁんんっ……だ、だめぇぇえ……い、今動いちゃ……あぁあぁっあっあっ……」
「ごめん……鈴音……我慢できなくて……!」
鈴音に無理させたくない、けれど俺の身体無しではいられないほど、愛したい……!
「あんっあんっあぁ……はぁ……んんんっ……な、直人さ……んんっん……」
結局……今夜も鈴音を何度も絶頂に追い込んでしまった――
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情事の後――
腕の中で静かに寝息を立てている鈴音をじっと見つめながら思った。
「ごめん……今夜も疲れさせてしまって……」
眠る鈴音の唇にキスしながら祈った。
どうか……この幸せがずっと長く続きますように。
けれど、俺と鈴音は思いもよらない形で、残酷に引き離される事になる――