本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
亮平 24
鈴音が個室へ入院してから俺は毎日毎日鈴音の病室へ面会に行った。鈴音は毎日来る必要はないし、見舞いなら私ではなく忍を見舞ってくれという。
鈴音……どうして俺の気持ちが分かってくれないんだ? お前が目を覚ますまでの3ヶ月間、俺がどれだけ辛い日々を過ごしていたか分からないのか? 鈴音の顔を確認しないと不安でたまらない俺の気持ちに何故気付いてくれないんだ?
鈴音の目が覚めたことはとても嬉しいが、俺から線を引いてしまったようにう感じられてとても苦しかった。そしてある日、とうとう鈴音に言われてしまった。
鈴音は事故の後遺症の為か、ウトウトする日ばかり続いていた。今日だって面会に行って、少し忍の様子を見に行って見ると鈴音は眠っていた。そのうち目が覚めるだろうと思って部屋で本を読んだりテレビを見たりと時間を潰していたけど一向に鈴音は目を覚ます気配はない。
「嘘だろう……?」
時計を見ると既に6時間も眠ったままだ。看護師は時々様子を見にやってきたが鈴音が眠っている姿を見ても特に何も言わずにモニターの画面を見て記録をPCに打ち込むとさっさいなくなってしまう。
もう我慢の限界だった。次に看護師が来たら問い詰めてやる!
そんな矢先。
「失礼致します」
タイミングよく看護師が病室に入って来た。よし!
「すみません。ずっと鈴音が眠ったままなんですけど……いいんですか? こんな調子で」
「それは加藤さんご自身の身体が自ら体力を回復させる為に眠りに就かせていると以前先生から説明を受けていると思いますが」
「……だから! いつまで鈴音はあんな状態だって聞いているんだよっ!?」
つい興奮のあまり、声を荒らげてしまう。
「落ち着いてください。ですから来週検査をするんですよ」
そして何気なく鈴音を見ると、いつの間に目を覚ましたのかベッドの上で俺をじっと見つめている鈴音が目に入った。
「え? す……鈴音っ!?」
急いで鈴音のベッドに近づくと声をかけて、6時間も眠りっぱなしでどれだけ心配でたまらなかったか鈴音に話した。すると恐ろしいことを俺に言ってきた。
「私が……もっと身体を動かせるようになるまでは……面会には来ないで」
俺は鈴音の手を握りしめて、情けないくらいにすがった。頼むからそんな事を言わないでくれと……しかし鈴音は俺にハッキリ言い切った。
1人で部屋でゆっくり過ごしたい、退院するまではもう来ないでくれと――
これ以上鈴音を困らせるわけにはいかなかった。
「わ……分かった‥…」
血を吐く思いで鈴音に返事をし、黙って病室を後にした。
病院を出ると涙が溢れて止まらなかった。
頼む……鈴音……。どうか俺を遠ざけないでくれ……。俺はお前のことが好きなんだよ……。
だけど、その言葉を鈴音の前で口にする勇気が俺には無かった。そして俺は鈴音が退院するまで、言葉通り一度も鈴音の面会には行かなかった。
これ以上鈴音に嫌がられないようにする為にはそうせざるを得なかったからだ——
****
9月――
とうとう鈴音が退院する日が来た。病院側からは鈴音が退院する日は教えてもらうように頼んでいた。
よし、仕事が終わったらすぐに鈴音のマンションへ行こう!
俺はその日は残業はしないと心に誓った。
19時――
俺は目の前の光景が信じられなかった。何でだよ……何でお前が鈴音と一緒にいるんだよっ!?
「あ! またお前かっ!? 性懲りもなく鈴音の前にまた現れたのかっ!?」
気づけば俺は嫉妬にまみれた声で川口を怒鳴りつけていた――
鈴音……どうして俺の気持ちが分かってくれないんだ? お前が目を覚ますまでの3ヶ月間、俺がどれだけ辛い日々を過ごしていたか分からないのか? 鈴音の顔を確認しないと不安でたまらない俺の気持ちに何故気付いてくれないんだ?
鈴音の目が覚めたことはとても嬉しいが、俺から線を引いてしまったようにう感じられてとても苦しかった。そしてある日、とうとう鈴音に言われてしまった。
鈴音は事故の後遺症の為か、ウトウトする日ばかり続いていた。今日だって面会に行って、少し忍の様子を見に行って見ると鈴音は眠っていた。そのうち目が覚めるだろうと思って部屋で本を読んだりテレビを見たりと時間を潰していたけど一向に鈴音は目を覚ます気配はない。
「嘘だろう……?」
時計を見ると既に6時間も眠ったままだ。看護師は時々様子を見にやってきたが鈴音が眠っている姿を見ても特に何も言わずにモニターの画面を見て記録をPCに打ち込むとさっさいなくなってしまう。
もう我慢の限界だった。次に看護師が来たら問い詰めてやる!
そんな矢先。
「失礼致します」
タイミングよく看護師が病室に入って来た。よし!
「すみません。ずっと鈴音が眠ったままなんですけど……いいんですか? こんな調子で」
「それは加藤さんご自身の身体が自ら体力を回復させる為に眠りに就かせていると以前先生から説明を受けていると思いますが」
「……だから! いつまで鈴音はあんな状態だって聞いているんだよっ!?」
つい興奮のあまり、声を荒らげてしまう。
「落ち着いてください。ですから来週検査をするんですよ」
そして何気なく鈴音を見ると、いつの間に目を覚ましたのかベッドの上で俺をじっと見つめている鈴音が目に入った。
「え? す……鈴音っ!?」
急いで鈴音のベッドに近づくと声をかけて、6時間も眠りっぱなしでどれだけ心配でたまらなかったか鈴音に話した。すると恐ろしいことを俺に言ってきた。
「私が……もっと身体を動かせるようになるまでは……面会には来ないで」
俺は鈴音の手を握りしめて、情けないくらいにすがった。頼むからそんな事を言わないでくれと……しかし鈴音は俺にハッキリ言い切った。
1人で部屋でゆっくり過ごしたい、退院するまではもう来ないでくれと――
これ以上鈴音を困らせるわけにはいかなかった。
「わ……分かった‥…」
血を吐く思いで鈴音に返事をし、黙って病室を後にした。
病院を出ると涙が溢れて止まらなかった。
頼む……鈴音……。どうか俺を遠ざけないでくれ……。俺はお前のことが好きなんだよ……。
だけど、その言葉を鈴音の前で口にする勇気が俺には無かった。そして俺は鈴音が退院するまで、言葉通り一度も鈴音の面会には行かなかった。
これ以上鈴音に嫌がられないようにする為にはそうせざるを得なかったからだ——
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9月――
とうとう鈴音が退院する日が来た。病院側からは鈴音が退院する日は教えてもらうように頼んでいた。
よし、仕事が終わったらすぐに鈴音のマンションへ行こう!
俺はその日は残業はしないと心に誓った。
19時――
俺は目の前の光景が信じられなかった。何でだよ……何でお前が鈴音と一緒にいるんだよっ!?
「あ! またお前かっ!? 性懲りもなく鈴音の前にまた現れたのかっ!?」
気づけば俺は嫉妬にまみれた声で川口を怒鳴りつけていた――