本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
亮平 47
川口が婚約者と会うのは新宿西口にある高層ホテル1Fにあるカフェだった。
「全く……金持ちって言うのはコーヒーを飲む場所も一流なのかよ」
ブツブツ言いながら目の前のホテルを見上げた。
いや、本当は婚約者はデートのつもりで川口をこのホテルに呼びつけたのかもしれない……が、俺はその事を認めたくなかったからだ。
最近の俺は自分で自分の気持ちが分らずに戸惑っていた。川口と鈴音が別れたのは俺にとって喜ぶべき出来事なのに、悲しみに暮れている鈴音を見るのは正直辛かった。鈴音が川口とよりを戻す事が出来れば再び笑顔がもどってくれるだろうかと考える自分がいるのも確かだ。
俺は川口を責めてばかりいたが、結局一番許せなかったのは川口を脅迫して強引に鈴音からあいつを奪った常盤商事の社長令嬢だった。しかもあの女は川口には秘密にして鈴音に会いに行って苦しめた最低な女だ。このまま黙って見過ごすわけにはいかなかった。
「川口が何も言えないなら……俺が代りに文句を言ってやる……っ!」
怒りに身をたぎらせ、俺はホテルの中に足を踏み入れた――
****
高い天井に豪華なシャンデリアがぶら下がっている。床には高級感あふれる重厚なカーペットが敷かれ、大きな窓からは見事な日本庭園が見える。客層もみんなセレブのようで、上品なスーツ姿や着物姿の女性も中にはいた。
「俺もジャケットで来て正解だったな……」
普段ならパーカーにジーパン、スニーカーといういで立ちをするが、ここは4つ星ホテルのカフェだ。普段着ではまずいだろうと思い、シャツにジャケット、スラックスに革靴でここまでやって来た。これなら見劣りしないだろう。
「川口と女は何所にいるんだ……」
辺りをキョロキョロし見渡しながら川口と女の姿を探す。一応電話の打ち合わせでは、川口と女がカフェで会っている時に、偶然を装って俺が川口に声をかけると言う設定にしたのだ。
「あ、いた!」
口の中で小さく呟く。
スーツ姿の川口と女は明るい太陽の日差しが差し込む窓際の丸テーブル席についていた。俺は2人に大股で近付いて行った。
「あれ? 直人じゃないか?」
前方から俺は川口に声をかけた。
「あ、ああ、亮平じゃないか。久しぶりだな……」
チッ
心の中で舌打ちした。もっとまともな演技が出来ないのか?
「え?」
俺に背を向けていた女が驚いたように振り向き、怪訝そうな顔を浮かべた。
「あの……どちら様ですか?」
「ああ、彼は……」
川口の言葉を塞ぐように俺は言った。
「共通の知り合いを持つ友人さ。実はここで彼女と待ち合わせしていたんだけど、どうもすっぽっかされてしまったみたいなんだよ。そしたら偶然お前がここにいるんだものな。折角久しぶりに会ったんだ。俺も話に混ぜてくれないか? お前に大事な話があるしな」
「ちょ、ちょっと……!」
女は明らかに迷惑そうな顔を向けるが、それにも構わず俺は椅子を引くと強引に席に着いてしまった。
「ねぇ、直人……」
女は川口に訴えようとするが、俺はそれを許さなかった。
「あんたの事、俺は知ってるぞ? 川口の婚約者に収まった常盤商事の社長令嬢だろう?」
「!」
女は一瞬ビクリとなったが、俺を攻撃的な目で睨み付けた――
「全く……金持ちって言うのはコーヒーを飲む場所も一流なのかよ」
ブツブツ言いながら目の前のホテルを見上げた。
いや、本当は婚約者はデートのつもりで川口をこのホテルに呼びつけたのかもしれない……が、俺はその事を認めたくなかったからだ。
最近の俺は自分で自分の気持ちが分らずに戸惑っていた。川口と鈴音が別れたのは俺にとって喜ぶべき出来事なのに、悲しみに暮れている鈴音を見るのは正直辛かった。鈴音が川口とよりを戻す事が出来れば再び笑顔がもどってくれるだろうかと考える自分がいるのも確かだ。
俺は川口を責めてばかりいたが、結局一番許せなかったのは川口を脅迫して強引に鈴音からあいつを奪った常盤商事の社長令嬢だった。しかもあの女は川口には秘密にして鈴音に会いに行って苦しめた最低な女だ。このまま黙って見過ごすわけにはいかなかった。
「川口が何も言えないなら……俺が代りに文句を言ってやる……っ!」
怒りに身をたぎらせ、俺はホテルの中に足を踏み入れた――
****
高い天井に豪華なシャンデリアがぶら下がっている。床には高級感あふれる重厚なカーペットが敷かれ、大きな窓からは見事な日本庭園が見える。客層もみんなセレブのようで、上品なスーツ姿や着物姿の女性も中にはいた。
「俺もジャケットで来て正解だったな……」
普段ならパーカーにジーパン、スニーカーといういで立ちをするが、ここは4つ星ホテルのカフェだ。普段着ではまずいだろうと思い、シャツにジャケット、スラックスに革靴でここまでやって来た。これなら見劣りしないだろう。
「川口と女は何所にいるんだ……」
辺りをキョロキョロし見渡しながら川口と女の姿を探す。一応電話の打ち合わせでは、川口と女がカフェで会っている時に、偶然を装って俺が川口に声をかけると言う設定にしたのだ。
「あ、いた!」
口の中で小さく呟く。
スーツ姿の川口と女は明るい太陽の日差しが差し込む窓際の丸テーブル席についていた。俺は2人に大股で近付いて行った。
「あれ? 直人じゃないか?」
前方から俺は川口に声をかけた。
「あ、ああ、亮平じゃないか。久しぶりだな……」
チッ
心の中で舌打ちした。もっとまともな演技が出来ないのか?
「え?」
俺に背を向けていた女が驚いたように振り向き、怪訝そうな顔を浮かべた。
「あの……どちら様ですか?」
「ああ、彼は……」
川口の言葉を塞ぐように俺は言った。
「共通の知り合いを持つ友人さ。実はここで彼女と待ち合わせしていたんだけど、どうもすっぽっかされてしまったみたいなんだよ。そしたら偶然お前がここにいるんだものな。折角久しぶりに会ったんだ。俺も話に混ぜてくれないか? お前に大事な話があるしな」
「ちょ、ちょっと……!」
女は明らかに迷惑そうな顔を向けるが、それにも構わず俺は椅子を引くと強引に席に着いてしまった。
「ねぇ、直人……」
女は川口に訴えようとするが、俺はそれを許さなかった。
「あんたの事、俺は知ってるぞ? 川口の婚約者に収まった常盤商事の社長令嬢だろう?」
「!」
女は一瞬ビクリとなったが、俺を攻撃的な目で睨み付けた――