本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
亮平 46
鈴音が実家に戻った翌朝の事だった。
ピピピピ……
スマホのアラームが鳴っている。
「う〜ん……」
布団から手を伸ばし、スマホを手に取るとアラームを切った。
「ふわあああ……」
欠伸をしつつ、毎朝の日課であるネットのニュースを見る為に画面をタップすると一面に大きく見出しが表示された。
『常盤商事と低迷を続けていた川口家電、ついに合併』
「はっ!?」
思わず目を見張った。
「嘘だろう!? この間何とかなりそうだって話していたくせに……あの話は嘘だったのかっ!?」
それと同時に別の記事が掲載されている。
『セレブ婚』
「ま、まさか……」
震える手で続きを読むべく、画面をタップした。
『常磐商事の社長令嬢と川口家電の時期跡取り、ついに婚約発表』
記事には隠し撮りでもしていたのか、川口と腕を組んで歩く女が一緒に写っていた。
「な、何だよ! この記事……川口め……俺に嘘をついたのかっ!?」
今は午前7時半……電話を掛けるには少々早い時間だったかも知れないが、アイツの事情なんか知ったことかっ!
俺は川口の電話番号をタップした――
『もしもし……』
5コール目で川口が電話に出た。俺は開口一番怒鳴りつけた。
「おいっ! お前、いったいどういうつもりだよっ!」
『え? あ……もしかするとネットのニュースを見たのか?』
どこか落ち着いた様子の川口の態度に俺のイライラはピークに達した。
「ああ、そうだっ! 見たから朝からお前に電話を掛けているんだろうっ!? 一体どういうつもりだよっ!」
『俺だって知らなかったんだよっ! 今朝、ネットのニュースを見て知ったんだからっ!』
川口の言葉に俺は耳を疑った。
「な、何だって……? う、嘘だろう……その話……」
『こんな重大な話、嘘をつくはずがないだろうっ!? 俺だってネットのニュースで知ったんだよっ! それでさっき父に電話を掛けたんだよ。すると常盤商事の社長から、社員全員役職も部署もそのままの状態でまるごと引き受けるっていう好条件を突きつけられて、合併の話に応じたっていうんだよっ! 父も驚いていたよ。まさかこんなに早くネットのニュースに乗るとは思わなかったって。それにあの写真だって……あまりに巧妙すぎる……ッ!』
川口の悔しそうな声が電話越しから聞こえてくる。
「お前、今日何か予定が入っていたりするのかっ!? もしあるなら全てキャンセルしろっ!」
『え……? 婚約者と11時から会う事くらいだが……?』
「何だって? 婚約者と会うのかっ!?」
『あ、ああ。そうなんだ……』
川口と婚約者が会う……それは好都合かもしれない。
「おい、川口……何処で会うんだ? その婚約者と」
『え? 何でそんな事聞くんだ?』
「決まっているだろう? お前の婚約者に俺も会うぞ。話をするんだよ」
鈴音と今夜はスーパー銭湯に行く約束をしているが……夜だから余裕で間に合うだろう。
『な、何言ってるんだっ! 駄目に決まっているだろうっ!?』
「うるせぇっ! もう川口家電と常盤商事の合併は決定したんだろう? 好条件でな! それならもうあいつらには脅迫なんて出来っ来ないだろう? 一度決定したことを覆すなんて容易に出来ないだろうからな!?」
『だ、だけど……』
「駄目だ。お前に拒否権はない。とにかく俺はこんな話、納得しないからなっ! 早く場所を教えろっ!」
『わ、分かった……。場所は……』
俺は待ち合わせ場所をメモした――
ピピピピ……
スマホのアラームが鳴っている。
「う〜ん……」
布団から手を伸ばし、スマホを手に取るとアラームを切った。
「ふわあああ……」
欠伸をしつつ、毎朝の日課であるネットのニュースを見る為に画面をタップすると一面に大きく見出しが表示された。
『常盤商事と低迷を続けていた川口家電、ついに合併』
「はっ!?」
思わず目を見張った。
「嘘だろう!? この間何とかなりそうだって話していたくせに……あの話は嘘だったのかっ!?」
それと同時に別の記事が掲載されている。
『セレブ婚』
「ま、まさか……」
震える手で続きを読むべく、画面をタップした。
『常磐商事の社長令嬢と川口家電の時期跡取り、ついに婚約発表』
記事には隠し撮りでもしていたのか、川口と腕を組んで歩く女が一緒に写っていた。
「な、何だよ! この記事……川口め……俺に嘘をついたのかっ!?」
今は午前7時半……電話を掛けるには少々早い時間だったかも知れないが、アイツの事情なんか知ったことかっ!
俺は川口の電話番号をタップした――
『もしもし……』
5コール目で川口が電話に出た。俺は開口一番怒鳴りつけた。
「おいっ! お前、いったいどういうつもりだよっ!」
『え? あ……もしかするとネットのニュースを見たのか?』
どこか落ち着いた様子の川口の態度に俺のイライラはピークに達した。
「ああ、そうだっ! 見たから朝からお前に電話を掛けているんだろうっ!? 一体どういうつもりだよっ!」
『俺だって知らなかったんだよっ! 今朝、ネットのニュースを見て知ったんだからっ!』
川口の言葉に俺は耳を疑った。
「な、何だって……? う、嘘だろう……その話……」
『こんな重大な話、嘘をつくはずがないだろうっ!? 俺だってネットのニュースで知ったんだよっ! それでさっき父に電話を掛けたんだよ。すると常盤商事の社長から、社員全員役職も部署もそのままの状態でまるごと引き受けるっていう好条件を突きつけられて、合併の話に応じたっていうんだよっ! 父も驚いていたよ。まさかこんなに早くネットのニュースに乗るとは思わなかったって。それにあの写真だって……あまりに巧妙すぎる……ッ!』
川口の悔しそうな声が電話越しから聞こえてくる。
「お前、今日何か予定が入っていたりするのかっ!? もしあるなら全てキャンセルしろっ!」
『え……? 婚約者と11時から会う事くらいだが……?』
「何だって? 婚約者と会うのかっ!?」
『あ、ああ。そうなんだ……』
川口と婚約者が会う……それは好都合かもしれない。
「おい、川口……何処で会うんだ? その婚約者と」
『え? 何でそんな事聞くんだ?』
「決まっているだろう? お前の婚約者に俺も会うぞ。話をするんだよ」
鈴音と今夜はスーパー銭湯に行く約束をしているが……夜だから余裕で間に合うだろう。
『な、何言ってるんだっ! 駄目に決まっているだろうっ!?』
「うるせぇっ! もう川口家電と常盤商事の合併は決定したんだろう? 好条件でな! それならもうあいつらには脅迫なんて出来っ来ないだろう? 一度決定したことを覆すなんて容易に出来ないだろうからな!?」
『だ、だけど……』
「駄目だ。お前に拒否権はない。とにかく俺はこんな話、納得しないからなっ! 早く場所を教えろっ!」
『わ、分かった……。場所は……』
俺は待ち合わせ場所をメモした――