ハイスペ上司の好きなひと
いつもの白シャツにジーパンというラフな格好で脚を組み、ふんだんに色気を振り撒きながら真由菜は言った。
「でもまあ…無事に付き合えてよかったね」
「ありがとう。真由菜もまた会う約束できたんだよね」
「まあね。今度は私から会いに行くつもり」
真由菜達はあの後2人で二次会に赴き、それなりに良い雰囲気になれたらしい。
彼女から良い報告が聞けるのもきっと時間の問題だ。
「でもさあ」
真由菜はフラペチーノを音を立てて飲み干しながら、間延びした声で話を変えてきた。
「あれだけの美形が彼氏だなんて、不安になったりしないの?その片想いしてた人も同じ会社なんでしょ?」
痛いところを的確に突かれ、思わず生唾を飲み込んだ。
「それは勿論不安だよ。…けど、一途な人だから、信じたいとは思ってる」
「ふうん…」
真由菜は感情の読めない表情でそう言うと、途端に悪い顔へと変えた。
「まあ、十分良い思いしてるんだから、せいぜいイケメンに振り回されたらいいんじゃない?」
「相変わらず手厳しいなーもう」