ハイスペ上司の好きなひと
その後は話題をころころと変えて気の済むまで話し、いい時間になったところで解散する事にした。
その際飲み会の清算を申し出たのだが、こちらの都合に巻き込んだから要らないと拒否されてしまった。
なので次の報告会の際にはこちらが食事代を払う事で折り合いをつけて真由菜とは現地解散した。
帰りにスーパーへ寄ろうかと時間を確認するためスマホを開いたところメッセージが届いている事に気付き、開くと飛鳥からだった。
友人と別れたら自宅に来て欲しいという内容に了解のスタンプだけ返し、行き先を恋人の家へと変更する。
電車を乗り継ぎ飛鳥の自宅へ到着してインターホンを鳴らせばすぐにロックは解除され、部屋のある12階へとエレベーターで向かう。
部屋の前で再び来訪を知らせれば間髪入れずにドアが開き、腕を引かれて招き入れられた。
「紫、会いたかった」
どうにも甘えたな恋人は会う度にこうして抱きすくめては甘い言葉を囁いてくる。
毎日会社で顔を合わせているのだが、彼にとっては会社での会合はカウントされないらしい。
そんな事を考えつつも嬉しい事には変わらないので、紫も抱きしめ返しながら「私もです」と返事をした。