【完結】失恋したら有名シェフが私を溺愛包囲網で包み込みます。


「……豊佳、俺のことを好きになってほしい」

「烏丸さん……っ」  

 烏丸さんとのキスを受け入れてしまった私は、もう後には引けないと悟った。 

「豊佳……俺で頭の中いっぱいにしろよ」

「……っ、烏丸、さん……」

 烏丸さんからそう言われた私は、烏丸さんから目が離せなくなってしまった。

「俺は誰にも豊佳を渡したくない。……俺だけのものにする」

 頬に手を触れられ、そんな甘い言葉を囁かれたら、素直になるしかないと思った。

「私を、烏丸さんだけのものに……してください」

「今日の豊佳は、素直だね」

 私の頭を撫でた烏丸さんは、「豊佳、行き先変更するけど、いいよね?」と聞かれて静かに頷いた。
 烏丸さんはナビを操作し行き先を変更すると、再び目的地に向かって車を走らせたーーー。


* * *


「豊佳……」

「烏丸、さんっ……んっ」

 ホテルの部屋に入ると、烏丸さんは私の唇を深く奪っていく。

「っ……豊佳」

 烏丸さんは私をベッドの上に押し倒すと、また深く唇を重ねていく。

「烏丸さん……」

 烏丸さんの名前を呼ぶと、烏丸さんは「豊佳……名前で呼んで」と私にキスをする。

「ひ、すい……っ」
 
「もう一回」

 恥ずかしいけど、私は「ひ、翡翠……」と烏丸さんの名前を呼んだ。

「よく出来ました」

「ん……翡翠さんっ……」
 
 烏丸さんの体温が心地よくて身を委ねていると、烏丸さんが私の手をギュッと握ってくれた。

「豊佳……かわいい」
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