【完結】失恋したら有名シェフが私を溺愛包囲網で包み込みます。


「そのまんまの意味だけど? 何、お前頭悪いの?」

「龍樹……私のこと、ずっと裏切ってたの?」

 私が龍樹にそう問いかけると、龍樹は私に向かって「俺にセフレがいたとして、それが何か問題ある?」という言葉を吐いた。

「……え?」

 その言葉の意味が、私にはわからなかった。

「セフレは所詮、セフレなんだよ。恋人になることもないし、夫婦になることもない。 俺が好きなのは豊佳、お前だけだよ」

「……何、言ってるの?」

 そんなこと言われても、信じられる訳がない。

「なあ豊佳、俺と結婚しよう。必ず豊佳を幸せにすると約束するよ」

 龍樹はさっきまで他の女を抱いたその汚い手で、私の髪の毛に触れてきた。

「いやっ!その汚い手で私に触らないでっ!」

 私がその手を振り払うと、龍樹は「おいおい、豊佳。俺はお前の彼氏だろ?そんなに嫌がることないだろ?」と再び私の髪の毛に触れてくる。

「触らないでってば……!」

「豊佳、安心しろよ。ちゃんとこれからも、豊佳どセックズしてやるからさ」

 龍樹の言葉を聞いた私は、「はあ……?」と龍樹を見た。

「あ、もちろん豊佳が望むなら、子供だって何人でも作るし」

「何……言ってるの? 龍樹、頭おかしいよ!」

 私はもう龍樹のことが信じられない。もう一緒にはいられない……。

「豊佳、俺が愛してるのは豊佳だけだ。 だから豊佳、俺と結婚しよう」

 結婚しよう? よくこんな時にそんなセリフを言えるものだ。
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