【完結】失恋したら有名シェフが私を溺愛包囲網で包み込みます。
「避妊してても、コンドームでの避妊率は100%じゃないんだよ?……もしこの人が妊娠したらどうするの?龍樹はその時、責任取れるの?」
私がそう聞くと、龍樹は「だから、大丈夫だし」と口にした。
だけどその時、一度も口を開かなかったセフレという女性が口を開いた。
「安心してよ、彼女ちゃん」
「は……?」
「私、龍樹とセックスはするけど、コイツのこと好きじゃないから。 それに、私ピル飲んでるから妊娠はしない。だから安心して」
いや、そう言われても……。
「……あなたは黙っててください」
「まあ、私はお邪魔みたいだし? 私は帰らせてもらうわね」
いつの間にか服を着替えていた彼女は、カバンを持ち「じゃあね、龍樹。今日も気持ち良かったよ」と言葉を告げさっさと部屋から出て行った。
「豊佳、向こうで話そう」
龍樹にそう言われたけど、私は「イヤよ。もう何も話すことなんてない!」と突っぱねた。
「聞いてくれ、豊佳。俺は本当に豊佳のことを愛してるんだ」
「……私のこと愛してるなら、セフレなんて普通は作らないと思うけど」
ありえない。私は龍樹にずっと騙されてた。
「なあ、セフレってそんなに悪いことか?」
「はあ?」
いきなり何を言い出すのかと思いきや、また訳のわからないことを言い出した。
「セフレはあくまでもセフレだ。ただここでセックスするだけだし、デートもしない。 ただ身体を重ね合うだけの関係だ。それの何が悪いんだよ?」