Summer Love
第一章

始まりは💕

💕

「まだ粘るのか?」

「もちろん!!」

「もう無理だ」





ピシャリと言い放つ。




「勝ち目はないぞ?

続けて何になるってんだ」



容赦ないことは、理解してる。

だが断言しなければ。




「いいかげん、諦めてくれよ」





孕んだ風が、足元を掠める。





「もう売り上げ、上がらないんだろ?」





サラサラとした、電子音が鳴り響く。




「お洒落商店街に戦いを挑む?

立て直せるわけない。

引き揚げよう。

な?」

「でも……まだ、貯金はあるからさ。

夫の為に続けたいの!!

時間をちょうだい!!」




ライターをあぶる。

煙をわざと吐き出した。

母親である、「柊綾子」。

一回決めたことは、絶対に曲げない。

実家である海の家「クローバー」。

お父さんが亡くなった故だろう。

綾子は店を閉めようとしない。

「思い出」という安易な理由でだ。

借金までしてやる必要あるか?





「だから、手伝ってほしいって事よ」

「手伝う?」

「人手呼ぶにもお金がかかるのよ。

そこのところお願いよー。

高校教師、有給ぐらい出るでしょ?」







サッカー部の輩が目の前を走ってきた。

裏校舎なのに、集団練習をしてる。

顧問がルートを変えたのだろうか。
< 1 / 123 >

この作品をシェア

pagetop