Summer Love


俺が「純奈のご両親」を「轢き殺し」てしまった張本人なんだよ。




それは………教師と生徒だった頃に俺は一番気付いて、身を寄せて償っていかねばならなかったのに、俺は何一つとして出来なかった。




それは、教師として「失格」なんだよ。




だからもうーーー。




「俺は、今日もって責任を持って教師を辞めよう………」




それは、いつか純奈が人を遠ざけるためにやった手法に似ていて。



これから出会うであろう、生徒達に傷を与えないようにするための、優しい愛。



いつかの遠い同僚が言っていた。




「愛って言うのは、そばにいることだけが愛じゃない。愛する人から、離れる事も愛なんだよ」



そう、記憶が反芻し。



涙が溢れたが、もう遅い。


俺はその夜、無言でホテルを出て行方をくらましたんだ。




< 104 / 124 >

この作品をシェア

pagetop