キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。

「理人、あなたは自由に結婚することなんてできない。ましてや、メイドとの結婚なんてもっての外よね？」

「……メイドに無理やりしたのは、そっちでしょう？」

「そんなことないわよ。給料がいいからって自分からやりたがったのは桃宮さんの方でしょ？」


ふっと不敵に微笑んだ理事長に、少しゾッとした。なんだか、自分に好都合になるように全てを握り締めたいような表情を浮かべている。



「……玲奈、行こう」

「そうやってまた逃げるの？あなたっていつもそうよね、都合が悪いと逃げ出そうとする」

「っ……」


確かに、理人くんは諦めが早いことが多いかも……。



「理人くんは確かに諦めが早いかもしれないけど……でも、頑張り屋さんで努力家で、人のこと大切にできます！！」



ぎゅっと布団を握りしめながら、必死にそう伝えると理人くんは前向きな微笑みを浮かべた。