キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。
コクリと頷くと、私の肩を理人くんがそっと掴む。

そして……彼の綺麗な顔が、どんどん近づいてきていた。

こ、これは……!き、キスだ!


どうしようと慌てるけれど、嫌なわけじゃない。むしろ、したいぐらいだ。

だから、私もゆっくり目を瞑ろうとしたのだけれど……。


「坊っちゃん。つきましたよー」


運転手さんが、振り返ってそう言ったのだ。


まさかのキスをしようとしていた私たちの姿を見られてしまい、ビクッと震えた私と理人くん。

そっぽ向き合って、感謝を伝えて車から出て行った。



「玲奈」

「う、うん?」


車から降りてお屋敷の玄関に向かい歩いていると、理人くんに声をかけられる。


「さっき倒れてたし、今日はもう仕事とかしなくていいから」

「あっ……うん、ごめんね」

「……そうじゃない、そ、その……俺と、一緒にいて欲しい」

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