キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。

第10話

「……玲奈?まだだるい?」

「う、ううん……だいぶ良くなった……」


そう言いながら体勢を起こすと、少しだけ頭痛がした。


「……そっか、よかった」



隣に視線を移すと、心配そうにこちらを見つめる智月さんがいた。



「……ちず、くん……?」

「……え?」



幼い頃の、寂しそうにしている顔と智月さんの表情が重なって、ついそう言ってしまった。



「れ、玲奈……!?ま、まさか記憶が……!!」


理人くんは嬉しそうにこちらを見てくる。けれど、生憎……記憶が戻ってきたのは、ちずくんのことだけ。


まだ、瑠美さんのことも、理人くんのことも思い出せていない。


そんな申し訳ない気持ちを抱えながら、私はごめんと眉を下げて微笑んだ。



「……謝らないでくれ、悪いのは玲奈じゃない」

「えへへ……ありがとう……」


そんなこと言われたって、申し訳ない。だって、大好きな理人くんが悲しそうで、寂しそうな顔をしているから。


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