キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。
「焦ることじゃないし、なんなら一生思い出せなくたっていいんだ。玲奈がもう一度、俺のことを好きになってくれて嬉しいから」


そういって理人くんは優しく抱き寄せてくれた。その温かさが、焦りと安心を同時に私を包み込んだ。





私は自分の部屋に送ってもらい、しばらくぼーっと色々考えてしまった。


まだ、瑠美さんのことも思い出せていないけれど、なんだか彼女のことなら思い出せる気がする、ちずくんのおんなじような感覚だ。

だけど、どうしても理人くんのことだけは、自信がない。

というか、自信を持っていて思い出せずに、拒絶されたくないと言うのが本心だと思う。


理人くんのことだから、そんなことはしないって重々承知の上だ。

でも、それでも私が嫌なんだ。理人くんのことを思い出せないのが。



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