キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。

扉が開いて、理人先輩が先に降りる。すると、私に手を差し伸べてくれた。


「……おいで、玲奈」

「あっ、ありがとうございます……!」


慌てて手を伸ばしてしまうと、きゃー!!という悲鳴まじりの黄色い声が聞こえてくる。


……私は再認識した。あたりにいる女子生徒たちの多さに、理人先輩がどれだけ好かれているのか。

そしてなにより……そんな彼の横に一瞬でも立ったら、どうなってしまうのか……。



「先輩やっぱり私先行きますので——」

「みんなに伝えておきたいことがある」

「先輩……?」


ぎゅうっと肩を掴まれて、密着した私たち。理人先輩の背の高さが余計にわかる。

さっき車に乗っていたときといい、この人は距離感がバグってる……!


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