キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。
「……あれは完全にできてるわね……」

「っー!!私たちの会長が!!」

「しーっ!!聞こえちゃうでしょ!」


ガヤガヤ周りが何か言っているのが聞こえる。

だけど、きっと私への恨み言だろうと思い気にするのはやめる。



そうして迎えた放課後。


教室に現れた、背の高い美青年。

もちろん先輩だ。


あんまり騒がれまいと荷物を持って、自分から先輩に近づいていく。


「自分から来てくれたの?」

「せ、先輩が呼ぶと周りが騒ぐからですよ……!」

「ふふっ、そっか。嬉しいな。行こっか玲奈」

「はい……」


伸ばされてきた理人先輩の綺麗な手。

私はどうしたらいいのかわからず、気づかないふりをした。


そしたら、先輩がぎゅっと手を握ってきて……びくっと震える。


「……嫌だった?」

「こ、こういうことは好きな人とするんじゃっ……」



どうすることもできずに、無心を意識して階段を降りていく。

先輩は無言になってしまった。


「……玲奈のこと、結構好きだよ」


階段を降り切ったぐらいの時、そんなことを言われてしまう。


「っ……」


なぜだか、胸が苦しくなった。熱くて、ぎゅって潰されてるみたいで……何かが欲しくて、たまらない。


「はぁ……はぁ……」

「っ……!!玲奈!?」


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