キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。

「あ、あの、理人くん……」


人の少ない場所なんてもはやなくて、ただトボトボ歩いている彼にやっと話しかけられた。


「どうしたの?」


なんだか、もう全てどうでもいいなんて言わんばかりの顔をしている。


「なんて言ったらいいのか、わからないんですけど……あの、えっと……」



私が言葉に迷っていると、そっと私を下ろした。

そして……周りにたくさん人がいる中、ぎゅっと抱きしめられてしまった。



「玲奈と、ずっと一緒にいたい……そのためなら、なんだってできるから」


消えてしまいそうな儚い声でそんなことを言った彼に、色んな意味で驚いたしまった。



< 94 / 185 >

この作品をシェア

pagetop