復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
prologue

 ギシッとベッドの軋む音と、男の荒い息遣い、それに耳を塞ぎたくなるような自分の甘い喘ぎ声がベッドルームに響く。


 「絶対に傷つけないと約束する」

 何もかもさらけ出した澄んだ瞳は私の心の奥底まで射抜いてくる。

 「今夜は、一晩中君を愛したい」

 彼の切羽詰まった苦しげな瞳を見ていると、なぜか胸が張り裂けそうになるほど切なくなる。もしその苦しみを取り除いてあげられるなら、自分の全てを彼に捧げてもいいと思ってしまう。

 「や、優しくしてくれるなら……」
 「もちろんだ。大切にする」

 彼は愛おしくてたまらないといったように、私を大きくて力強い腕の中に包み込んだ。

 もちろんこれは彼の本心じゃない。知らずに飲まされた媚薬のせいだ。でも、彼の手が……唇が……私に優しく触れる度に、深く愛されているのではないかと勘違いしそうになる。
 

 「ああっ……!」

 奥深く入ってくる圧迫感に、一気に背中を(しな)らせた。心も体も彼でいっぱいに満たされて、今まで誰にも感じたことのない感情が溢れそうになってくる。

 「……逢莉……」

 彼はキスの雨を降らせながら、何度も何度も私の中に欲望を刻み込んでいく。痺れるような快感が身体中に広がり、脳まで麻痺してしまったのか、目の前にいる彼以外なにも感じない。あまりの気持ちよさに、目の前が霞んだ。

 (ダ、ダメ……こんなの、ダメなのに……。これはただの復讐なのに……)

 突然、ぞくりと恐ろしいほどの快感が背筋を這って、私はひときわ甲高い声で啼いた。

 「あぁっ……い、いやっ……!待って!」
 「大丈夫。怖くないから……俺に全てを委ねて。君の全てを見せて」
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