復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「ミスコン?」

 「そうなの。実は今年の優勝者は高級メロン1ダース貰えるらしくって、逢莉はそれを狙ってるのよ。結愛ちゃんの大好物なんだって」

 「メロン1ダース?なんだそれ」

 
 彼女には一度も会ったことないが、汐梨に色々と話を聞いていて、まるで長年の知り合いのようによく知っていた。

 例えば、彼女は大手自動車メーカーに勤めていた父親の転勤でアメリカで生まれそこで幼少期を過ごしたこと。その後再び父親が転勤になり、フランスに数年住んだこと。

 父親の病気が発覚し日本に帰国して一年もしないうちに亡くなってしまったこと。その後必死になって育ててくれた母親もつい最近心臓発作で亡くなってしまったこと。

 彼女は大学では国際交流サークルに入っていて、留学生の生活や勉強を手助けするボランティアをしていること。そんな彼女は将来通訳になる事を目指していること。

 そして彼女は、妹思いのとても優しい女の子だということ。残された妹を母親代わりになって一生懸命面倒見ていると、よく汐梨から話を聞かされていた。

 あの日崇人がお忍びで大学の学祭に行ったのは、汐梨が初めて作った親友とは一体どんな子なんだろうとちょっとした好奇心と、そしてほんの気まぐれだった。

 大学が毎年開催しているミスコンで、学祭のメインイベントらしい。大勢の男性が会場を埋める中、選ばれた女性が次々と舞台に上がる。

 でも逢莉の芯の強さと凛とした美しさは参加者の中で一際目立っていた。なので彼女が優勝した時は驚きもしなかった。
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