復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「そういえば橘花さんはどうしてる?結局あのメロン全部食ったのか?」

 「逢莉?半分ほどは友達やサークルの人たちに配ったみたい。私も一個もらっちゃった。でも残りは結愛ちゃんと一緒に食べたって言ってた。それで2人して食べ過ぎてお腹壊したとも言ってたっけ」

 汐梨は彼女の話を思い出しているのか、可笑しそうにクスクスと笑った。

 「姉妹で仲良いんだな」

 「そうね。逢莉はいつも結愛ちゃんが一番だから。亡くなったお母さんの代わりに結愛ちゃんの面倒を見なきゃって思ってるんだと思う。ああ見えても一途で責任感の強い子だから。あんなに美人で男子からモテてるのに、結愛ちゃんが大学を卒業して一人前になるまでは絶対に彼氏は作らないって言ってるしね。結愛ちゃんに寂しい思いだけは絶対にさせたくないからって」

 「そうか……」

 妹想いの彼女らしい選択だな、と崇人は思う。でもそれと同時に、そんな彼女をどうしても手に入れたいと思う自分がいる。

 「なぁに?お兄ちゃんももしかして、あの逢莉の可愛さにやられたの?逢莉、すごく可愛いもんね」

 ニヤニヤしながら頬杖をついて崇人をみる汐梨から、慌てて目を逸らした。完全に自分の気持ちを見透かされている気がして、耳が熱くなる。

 「そんなんじゃない。ただあんなに仲の良い姉妹も珍しいなと思って」

 「確かにね。私もお兄ちゃんと仲がいいって言うといつも珍しがられるよね」

 「そうだな……」


 あれからこの8年、色々な女性に出会った。中には短い期間だが付き合ってみた女性もいる。でも逢莉ほど心惹かれる女性に出会うことは一度もなかった。

 ふとした時にいつも思い出すのは、あのミスコンでの凜とした美しい逢莉の姿だ。妹と抱き合って喜んでいる彼女の満面の笑顔だった。
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