恋と首輪
素直
いつもと同じ教室での授業。
いつもと同じ日常。
気怠く思ってたその日常も、
主人のおかげで、乗り越えられている。
放課後、早く主人に会いたいとか。
呼び出しされないかな、とか。
そんなことばかり考えていて、
私は現実が見れていなかったのかもしれない。
"ピーンポーンパーンポーン"
ある日の昼休み
大きく鳴り響く校内放送のチャイム。
いつもなら適当に聞き流すぐらいの放送なのに、今回だけは、耳を奪われるしかなかった。いつも聞いている聞き慣れた私の大好きな声。
「全校生徒の皆さん、こんにちは。東雲蓮です。」
少しざわついた周りも、主人の声を聞こうと一瞬にして静かになる。
「急に放送なんてびっくりした人がほとんどかもしれないですが、今日は報告があってこの場を借りてます。」
…報告?嫌な予感が頭をよぎる。
「単刀直入に言うと、今日で僕が続けてきた首輪制度を廃止します。」
え?今なんて
頭が真っ白になった。
……なんで…
その瞬間、全てが崩れた気がした。
手が震えて、何も聞こえなくなる。
「____以上です。それでは皆さん、いい1日を」" プツッ
正気に戻った頃にはすでに主人の放送は終わっていた。
周囲から私に向けられる目線が痛い。
主人からかけられた"首輪"と言う名のネックレスを握りしめる。
「え、首輪廃止って、、じゃあ月宮みゆ首輪外されたってこと?」
「そうでしょ。じゃあ退学じゃん」
「待って、次私なりたかったのに!なんで廃止!?」
…そんなの私が知りたい。
みんなコソコソ話すだけで、私に話しかけてくる人はいない。
同情、されてるのかもしれない。
視界が涙でぼやける。
私は無意識に教室を飛び出した。