恋と首輪
愛というもの
「ごめんみゆ、今日会食入った」
「え?今日?」
仕事終わり、副社長室に来た蓮は、悲しそうな顔でそう言った。
「あーまじでごめん」
そしてぎゅっと抱きしめるから、私のわがままなんて言えない。
「今日結婚記念日なのに」
「んーん、しょうがないじゃん」
「…あーもう急すぎんだろあのじじい連中…やっぱ断ってこようかな」
「こら、重役達でしょ?そっちが優先だって」
「んー、そうだけど…。絶対早く帰ってくる」
せっかくディナー予約してたのに、キャンセルしないと。急な仕事が入るなんて、慣れてる。
ガッカリなんて、…しない。
「てか、その会食私行かなくていいの?」
「…行かなくていい」
「何、その間。あ、私も呼ばれたんでしょ」
「でも俺が行かせたくねーからみゆは行かなくていいの。俺1人で行く」
「なんでよ、一緒に行けばいいじゃん」
「あいつらみゆのことえろい目でしか見てねーし。またセクハラされるかもじゃん。絶対無理。」
あーそうだ。
前一緒に呼ばれた会食で、蓮がトイレに行ってる間、セクハラされたんだった。
その時、蓮がガチギレして超大変だったんだっけ。
「…わかった、早く帰ってきて」